ビジネス本のソムリエがビジネスを勉強してみた

ビジネス本の要約をするゆっけがニュースを深堀りします

ビジネス本のソムリエが、ヤフーのZOZO買収を調べてみた

こんにちは!インスタのアカウントが1週間停止になったゆっけです。

 

毎日投稿していたのに・・・・
なんでや!!!

www.instagram.com

 

新米ママさん向けに絵本を発信しています。

よかったらご覧くださいね!

 

さて、今日も絵本の世界とはかけ離れたビジネスのお話を書こうと思います。

 

Yahoo がZOZOを買収!?

newspicks.com

 

今更言うまでもありません。

今月、壮大な買収ニュースが世間を騒がせました。

 

今回の買収は、Amazon楽天というネット通販業者に対抗するための秘策だそうですね。

 

こういった記載をよく見かけましたが、ワガママゆっけは、

もっと詳細を知りたい!!!

 

そう思い、色んなニュースやコラムを見ました。

 

そして、ようやくYahoo側・ZOZO側の背景まで把握することができました!!

今回は2社の背景をまとめながら、歴史の変遷・経営層の頭脳を落とし込めたらと思います。

 

Yahoo側の思いをまとめてみた。~PC先駆者の終焉~

私が小学校の授業でインターネットという存在を知り、昼休みになってもPC室でオンラインゲームや調べものしていたあの頃。

性に芽生えた中学生、無料動画を見てsksk・・・

 

そう、私の青春時代には常にYahoo JAPANさんにお世話になっていました。

 

 Yahoo JAPANは1996年、アメリカYahooの創業者を孫正義口説き落とし、

設立されました。


メディア事業

同年に国内初のポータルサイト、Yahoo JAPANを設立、Yahooニュースや天気など情報メディアとしての地位を築いてきました。

 

コマース事業

Yahoo ショッピングでECサイトを設立。
ヤフオク(C to C)事業

を手掛け、現在のAmazonやメルカリの先駆けとなって大活躍していました。

 

今思うと、当時のYahooはめちゃくちゃ最先端をいっていたことに記事を書きながら震えていましたw

 

2000年 株価が日本史上初の1億円突破

2003年 東証一部上場

2007年 月間318億PV アメリカYahooを上回る

 

当時の日本インターネット業界では、圧倒的な勝ち組だったようですね。

 

Yahoo包囲網の台頭

しかし、日本で圧倒的な地位を築いている中、アメリカでは大きな革命が起こっていました。

 

2007年 米アップルが”iphone"を発売


日本においても、以下の出来事が起きているんです。

 

1998年 楽天・ZOZO創業

2000年 Amazon.co.jp開始

2001年 Google 日本で法人化

2008年 Facebook日本版使用開始

2011年 LINEアプリ使用開始

2013年 メルカリ創業

 

 そう、いつの間にかYahoo包囲網を張って、様々なサービスが誕生していたのです。

 

こうして、スマホが誕生してから・・・
PC王者のYahooの成長神話が陰ってきました。

 

Yahooのスマホシフト化を語る

2012年、2代目社長が就任、経営体制がガラリと変わりました。

 

経営体制が変わり、Yahooは2つのテーマを掲げ、会社再建に尽力しました。

 

①パソコン中心→スマホ中心の事業

②EC事業の回復

 

スマホシフト

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懐かしいアプリですねw

2012年、カカオジャパンに50%出資。

打倒LINEを目指していました。
しかし、既にLINEにユーザーを奪われ、2年で提携を解消しました。

tech.nikkeibp.co.jp

 

2015年、Yahoo JAPANのスマホアプリが誕生!

スマホ用の画面デザインに変更し、その甲斐あって、同年5月にはスマホ経由での閲覧が過半数を超えました。

 

スマホシフトはほぼ成功したと思われます。

 

2018年段階の平均月間利用者数

Google       6561万人

②Yahoo JAPAN    6033万人

③LINE                      5816万人

Youtube                5330万人

Facebook             4617万人

 

ネット広告(メディア事業)も
売上高3034億円(全体の31.5%)

営業利益1410億円(全体の68.1%) 営業利益率46.5%!!

 

成果を出すことができました。

 

②EC事業の巻き返し

2012年、アスクルの株式の42%を取得。

ECサイト、「LOHACO」を共同で運営を開始しました。
2015年に連結子会社化しました。

lohaco.jp

 

アスクルの配送網をフルに活用して、EC事業でAmazon楽天に負けない努力をしてきました。

 

2013年 「eコマース革命」宣言

Yahooショッピングの出店を無料化しました。

topics.shopping.yahoo.co.jp

出店者数は3年間で2万店→45万店に急増!!

 

サイトを見てみましたが、売上のロイヤリティも頂かずに、どこで儲けを出しているのでしょうか・・・

 

2016年、”一休”を買収。

www.ikyu.com

 

高価格帯の宿泊施設や飲食店の予約サイトですね。

1000億円で買収をしました。

 

買収後の一休の取扱高は1.9倍に爆伸びしました。

 

し・か・し!

 

売り上げ利益は伸び続けるものの、投資が重なり買収した2016年から

営業利益は3期連続でダウン・・・

 

ECは低利益でなかなか伸ばせていないのが現状のようです。

小売りをしている身からすると、この要因はなんとなく想像できます。

 

そうです、物流コストの上昇です。

diamond.jp

 

EC事業のネックはホンマここにつきると思います。
私の本屋を含む小売事業もここがネックです。

 

※出版社→本屋の本の輸送コストは出版社&問屋さんが負担しているので、本屋に直接的なダメージはありません。

しかし、出版社などはこの負担増に泣いているそうです・・・

 

ちなみにこの宅配ビジネス、これから継続するためには2つのアプローチが必要と言われています。

 

①店舗の有効活用

②低粗利率&高粗利率の組み合わせ

 

この2点がうまく組み合わさっているのが、なんでも酒やカクヤスです。

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なんと、ビール1本からでも無料!!
なぜ!?

 

②低粗利率&高粗利率の組み合わせ

利益の少ない一般消費者の宅配&小規模の飲食店の宅配を混ぜています。

 

なるほど・・

これで宅配事業が成立するのか・・・

 

話が逸れてしまいましたが、EC市場も

2016年段階日本のEC市場シェア

Amazon 20.2%

楽天  20.1%

Yahoo  8.9%

 

YahooグループのBOSS、孫正義

「いつアマゾンを抜く!?」
「いつ楽天を抜く!?」

と半ギレだったそうです。

 

2018年社長交代、ECシフトへ、そして・・・

この年にさらに社長が変わり、早々にEC事業の強化に取り掛かりました。

 

①PayPayの導入

2018年6月、独自のWeb決済である、Yahooウオレットを強化し、QRコード決済を追加しました。

しかし、同年7月にソフトバンクと共同でPayPayの提供を開始すると発表しました。

 

②PayPayモール開設

www.money-press.info

 

今年の10月より、新しいECショッピングモールが開設されます。

 

Yahooショッピングだと、事業者側はマージンを3%米ヤフーに支払わなければならず、ユーザー側はPayPayモールだと、ポイント付与が多いため、こちらに移行されるのではないかと予想しています。

 

アスクルとの対立

LOHACOの経営権がほしいYahooに対して、アスクルは業務提携の解消を申し入れたそうです。

 

newspicks.com

 

EC事業の成長にはLOHACOが是が非でも欲しいようですね。

そうすると、アスクルという会社が解体しかねないということで、アスクル側は徹底抗戦しているようです。

これでは、なかなかEC事業成長が望めない。

 

そ・し・て・・・・

 

今回のZOZOの買収に至ったのです。

今回の提携でEC国内No.1を本気で取りにいくのでしょう。

 

 

ZOZO側の思いをまとめてみた~奇策の失敗続き~

1998年、アメリカの通販文化を日本に輸入する形で、”スタートトゥディ”を設立しました。

 

最初はCDやレコードを取り扱い、2000年にファッション市場へ参入しました。

 

当初は

「商品ラインナップ少ないしー」

「試着出来ないのはリスクだしー」

「配送に時間かかって顧客満足度は上がらないしー」

というZOZOTOWN失敗の声があがってようです。

 

しかし、ふたを開けてみると売上高も営業利益も年々上昇していきました。

2017年には時価総額1兆円を超えるスーパー企業になりました。

 

このZOZOの快進撃には主に3つの要因があったようです。

 

①徹底した自前主義

②販売データの有効活用

③社長、前澤さんのカリスマ性

 

①徹底した自前主義

システム面、物流や商品の見せ方など自前で完結。
細かい且つ、地道な作業の積み重ねでファッションEC事業のノウハウを積み重ねていきました。

 

②販売データの活用

商品の仕入れやレコメンド提示に購買・閲覧データを活用。

売り逃しや在庫過多を最小限にすることができました。

 

③社長、前澤さんのカリスマ性

出店テナントが少ない時にユナイテッドアローズの社長に気に入られ、出店。
大手のメーカーが続々参入するきっかけとなりました。

 

そんなZOZOにも失敗はあったんだよ

オンラインで服を売るというこれまでの常識を破壊したZOZOも、数多くの失敗はありました。

 

失敗① ECサイトの海外進出

 2011年、ソフトバンクとの合弁会社を立ち上げ、アリババのECサイトタオバオにも出店。
e Bay Gmarketを通して、韓国にも出店していましたが販売が不調で2013年に両店とも撤退しました。

 

ついでですが、アリババのECサイトタオバオ
調べてみたら、中国の社会の仕組みすらも変えたECサイトのようですね。

 

newspicks.com

 

アリババすごいよ!(番外編)

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中国でお店を出す・商品を仕入れるために、政府の認可が必要だそうです。
もちろんそこには賄賂が絡んでたり・・・

 

そういう利権だらけだった為、お店を出すハードルがめちゃくちゃ高かったそうです。

 

そこに現れたのはタオバオ

 開業資金は少額、コネも不要。ネットショップなので、リアル店舗を持つ必要性もない。

 

タオバオきっかけで、例えば農家がそのまま作物を売る。
ライバーがオンラインでPRし、タオバオにリンクされる。

 

インターネット社会の特徴ともいえる、”信用経済”を作り上げ、新しいビジネスを創出させたタオバオ

ジャックマー、凄すぎですね。

 

 

いつか、ジャックマーに関する記事を書いてみようと思います。

 

ZOZOにも失敗はあった(続き)

失敗②リアル空間でのPR(ZOZOCOLLE)

2012年、一般のお客さま向けの展示会を開催し、出店ブランドや店舗がリアルな場に集まりましたが、受注がそこまで伸びなかったようです。

 

失敗③フリマ市場に参入

2015年に参入しましたが、完全にメルカリにポジションを奪われ、失敗。

 

もちろん、ZOZOで購入した商品を下取り、購入金額から差し引く「買い替え割」

サービスを含む古着市場(ZOZOUSED)や店頭商品のバーコードを読み取り、コーディネート閲覧やECサイトでの購入が出来るサービスは継続しています。(WEAR)

※現在WEARはコーディネートの閲覧のSNSのみ

 

 ユニクロへの挑戦~PBの開発~

グローバルな企業にまで発展したZOZOは、ユニクロに挑みたい野望も芽生えてきました。

そこで、ある挑戦をするのです。

 

プライベートブランドを立ち上げ、服を作ること!

 

2017年、PB事業へ参入しました。

 

ZOZOのPBは3つの特徴を掲げました。

 

①オーダーメイド品を提供

ユニクロを意識した商品構成

③スピーディーに海外進出

 

①オーダーメイド品を提供

サイズのS・M・Lという概念を無くし、ZOZOスーツで個人の体系に合った服の販売。

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ユニクロを意識した商品構成

ヒートテックと競合するZOZOHEATなど、とにかくベーシック且つユニクロに対抗しました。

 

③スピーディーに海外進出

半年後の2018年7月には、72か国にアプローチ。
ZOZOスーツやシャツを10万人に配布を目論んでました。

 

しかし、売り上げは・・・

 

予測の1/10

 

2019年3月期には、125億円の赤字を出してしまいました・・・

 

ZOZOスーツは失敗だったと言われています。

①コストが高く、仕様変更したPart2はダサかった。

②採寸にバラつきが出ている

 

そして成長神話の終わりへ

2018年12月、購入額から一律で10%引かれるサービスを導入。

メーカーをなめすぎだ!!!

と大手メーカーが激高し、ZOZOTOWNから撤退が続出しました。

 

そして、2019年は上場して初めての減益です。

時価総額も急落し、低迷しています。

 

これからのZOZOとYahooとゆっけの思うこと

社長が変わり、まずは安定した事業の再構築を目指すそうです。

 

マルチサイズプラットフォーム事業(MSP事業)

PB事業で得たデータ・ノウハウを活かして、メーカーへの支援を行う。

開発のサポートといったところでしょうか?

 

そして、なによりもEC事業の拡大。

近い将来、Amazon楽天と並ぶ日が訪れるかどうか、これからの動向を見守っていきましょう。

 

ゆっけの考察

百貨店、テナント事業として他社の物を売ることを主体にしてきた企業がPBを作ることは容易ではないですね。

そこには、ブランドを築かないと世間には受けにくい構造になっていることを書きながら感じました。

 

ZOZOを使ったことのない私にとって、Amazonの優先順位が高いですが、

そこをどうやって動線をデザインして、EC覇者になるのか今後チェックしていきたいと思います。

 

ゆっけ